民法改正(相続法)
2017年5月に成立した「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」は、
主な内容として
1)2020年4月から 配偶者居住権の新設 :配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に,配偶者は, 遺産分割
において配偶者居住権を取得することにより,終身又は一定期間,その建物に無償で居住することができるようになります。被相続人が遺贈等によって配偶者に配偶者居住権を取得させることもできます。
2)2019年7月から 婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置 :婚姻期間が20 年以上である夫婦間で居住用不動産(居住用建物又はその敷地)の遺贈又は贈与がされた場合については,原則として,遺産分割における配偶者の取り分が増えることになります。
3)2019年7月から 預貯金の払戻し制度の創設 :預貯金が遺産分割の対象となる場合に,各相続人は,遺産分割が終わる前でも,一定の範囲で預貯金の払戻しを受けることができるようになります。
4)2019年1月から 自筆証書遺言の方式緩和 :自筆証書遺言についても,財産目録については手書きで作成する必要がなくなります。
5)2020年7月から 法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設について :自筆証書遺言を作成した方は,法務大臣の指定する法務局に遺言書の保管を申請することができます。
6)2019年7月から 遺留分制度の見直し :1・遺留分を侵害された者は,遺贈や贈与を受けた者に対し,遺留分侵害額に相当する金
銭の請求をすることができるようになります。
2・遺贈や贈与を受けた者が金銭を直ちに準備することができない場合には,裁判所に対し,支払期限の猶予を求めることができます。
7)2019年7月から 特別の寄与の制度の創設 :相続人以外の被相続人の親族が無償で被相続人の療養看護等を行った場合には,相続人に対して金銭の請求をすることができるようになります。