民法改正(債権法)


2020年4月1日から
債権法(民法の契約等に関する部分)が変わります

1 保証人の保護に関する改正
(1)極度額の定めのない個人の根保証契約は無効に
個人が根保証契約を締結する場合には,保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ,保証契約は無効となります。
(2)公証人による保証意思確認の手続を新設
個人が事業用融資の保証人になろうとする場合について,公証人による保証意思確認の手続を経ないでした保証契約は無効となります。
2 約款(定型約款)を用いた取引に関する改正
(1)定型約款が契約の内容となる要件
顧客が定型約款にどのような条項が含まれるのかを認識していなくても,①当事者の間で定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたときや,②定型約款を契約の内容とする旨をあらかじめ顧客に「表示」して取引を行ったときは,個別の条項について合意をしたものとみなされます。他方で,信義則に反して顧客の利益を一方的に害する不当な条項はその効果が認められません。
(2)定型約款の変更の要件
定型約款の変更は,①変更が顧客の一般の利益に適合する場合や,②変更が契約の目的に反せず,かつ,変更に係る諸事情に照らして合理的な場合に限って認められます 
3 法定利率に関する改正
法定利率を年5%から年3%に引き下げ。また,将来的に法定利率が市中の金利動向と大きく離れたもの
になることを避けるため,市中の金利動向に合わせて法定利率が自動的
に変動する仕組みを新たに導入しています。
4 消滅時効に関する改正
民法は消滅時効により債権が消滅するまでの期間(消滅時効期間)は原則10 年であるとしつつ,例外的に,職業別のより短期の消滅時効期間(弁護士報酬は2年,医師の診療報酬は3年など)を設けていました。
今回の改正で,消滅時効期間について,より合理的で分かりやすいものとするため,職業別の短期消滅時効の特例を廃止するとともに,消滅時効期間を原則として5年とするなどしています。

2019年02月01日